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INTRODUCTION“最後のポール”

「あらゆる道具を知り尽くしたユーザーに、最後の1セットとなるタープポールを届けること。」目指す目標は明確だった。

多様な状況に対応するために、高さ調整可能なアジャスタブル仕様であること。ヘビー級の大型タープが安心して扱えるレベルの剛性を持たせること。飽きの来ないシンプルなデザインながらも、吟味された質の高い素材と仕上げで、愛着を持って長く付き合えること。そして万が一破損した場合も、パーツ単位で交換可能なロングライフ設計にすることで、使い捨てではなく半永久的に使えるプロダクトにすること。
“最後のポール”に求められる要求はあまりに高く、実現するためには一般的なタープポールの常識に囚われず、ゼロから全てを設計し直す必要があった。

ビーズブラスト加工
ビーズブラスト加工

押出成形された、強度の高い肉厚2mmの6000系アルミ合金を1本ずつビーズブラスト加工。さらに手間のかかる化学研磨も加え、マットでありながら光沢感のある洗練された表面を実現。

カラーアルマイト処理
カラーアルマイト処理

あらゆるタープと相性の良いダークグレーのカラーアルマイト処理により、角度によって見え方が異なる、奥行きある色彩に。ライトグレーのアジャスト部分との、上品なツートーンカラー。

3次元切削加工
3次元切削加工

トップからジョイント、エンドキャップまで、タープポールを構成するパーツは、3次元CADによる設計データをもとに、アルミニウム無垢材からひとつずつ高精度に削り出される。

最高品質のプロダクトを製作するために、既製のポールから加工するのではなく、宇宙開発なども手がける大手アルミ材供給メーカー・UACJ社の協力のもと、タープポールに最適なアルミニウム合金の選定から、肉厚の設計、押し出し成形の金型からオリジナルで製作。

ロングライフ設計にするべく、パーツ類にはプラスチックを用いず、国内最高レベルの精密加工所の協力のもと、1つずつアルミニウムの塊から丁寧に削り出している。ポールの直径に合わせて全てのパーツが美しく納まり、さらに表面に不必要なネジを露出させないよう、ゼロから特殊金具を設計。3次元CADや無数の試作でテストを繰り返し、美しさと機能性が両立した理想のプロダクトを生み出すため、一歩ずつ開発を進めていった。

OUR PROCESS開発者のことば

TARP POLEを作ることになったきっかけは?

“人と人との繋がり”というのがTARPtoTARPのコンセプト。これまでにもその繋がりから様々な取り組みをしてきましたが、いつかは屋号としても使っている“TARP”をオリジナルで作りたいという想いがありました。ある時、お客様としてTARPtoTARPに来てくれていた、アルミ総合メーカー“UACJ”の星野さんから、「アルミを使って何か一緒にできませんか?」というお話をいただき、それならオリジナルタープへの第一歩としてタープポールを作ろう、となったのがきっかけです。ポールには、デザイン性だけでなく、構造や強度など専門性が求められるので、以前から親交が深いプロダクトデザイナーの川浪さんに相談して、デザインをお願いすることになりました。

僕は今回デザイナーとして関わっていますが、その前に一人のユーザーの視点から言うと、タープ自体は素材や形状・機能など様々な選択肢があるのに対して、タープポールはどこか脇役という位置づけで、デザイン・クオリティ共に満足いくものがなくて。

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限られた選択肢の中から、自分自身どこか妥協してポールを選び、使っていた面もあったんですよね。須山さんからお話を聞いた時に、それなら良い機会なので自分自身納得して使うことができる“最後の1セット”となるタープポールを作ってみよう、と。

そうですね。オリジナルで作るなら、既に市場にあるものと似たようなものを作っても面白くないので、とことんこだわって、感度が高いTARPtoTARPのファンの方にも満足してもらえるクオリティのものを作りたい、というのはありました。

あと、せっかく関わらせてもらうなら、アウトドア用品のものづくりの常識から一度離れて、これまで培ってきたプロダクトデザインの美意識や技術を注ぎ込み、キャンプをやらない人が見ても、プロダクトそのものとして素晴らしい思ってもらえるレベルを目指したいなと。またUACJさんとのプロジェクトなので、なによりも素材としてのアルミニウムの魅力を最大限に引き出せるようなデザインが必要だと思いました。

具体的にはどのようなポールですか?

僕は普段から長さの調節ができて多用途に使えるアジャスタブル・ポールを使っていたのですが、自分が納得できるクオリティのものが市場には無いと感じていたので、オリジナルで作るならそれしかないな、と。

アジャスタブル・ポールの場合、本体はアルミが主流ですが、必要なパーツの一部には生産性とコストの都合でプラスチックのパーツが使われることが多いんですよね。だけど、決定的な1本を作って、長く使い続けることを考えた時、アルミの本体は傷も含めて美しく変化していくのに、プラスチックは最初がピークであとは劣化していくばかり。なので、ものづくりとしてはチャレンジングにはなるけども、オール・アルミでアジャスタブル・ポールを作る方向で進めました。

アジャスタブル・ポールであれば、ワンポールテントやシェルターなどタープ以外のポールとしても流用可能なので、必然的にポールの本数を少なくでき、物を減らして快適なキャンプスタイルにできる、というメリットもありますよね。

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たしかに。強度面から言うと、5mを超えるような大型のタープを使う時に、既存のアルミポールではやや不安があって、僕はこれまでスチールのものを使っていました。だけどスチールは重いし錆びるし、なによりそのためにまた余分にポールを持たなければいけないのも合理的ではない。なのでアルミで、しかもアジャスタブルでありながらヘビーな状況にも対応できる剛性があり、1セットで全てをまかなえるものにしたかったんですよね。

具体的にどのようなところに拘って作られているんでしょうか?

道具として長く愛用することを考えた時、デザインは普遍的でシンプルなほどいい。しかしアジャスタブルな機構を持たせつつ本当にシンプルなデザインをやり切るのは実はかなり難しい。シンプルであるからこそ、ちょっとしたでっぱりや、固定するための小さなネジの露出などが、美しく仕上げられた本体をすぐに台無しにしてしまうのです。そのため、ぱっと見は普通のポールに見えるかもしれませんが、最終的なプロダクトでは気にならないような部分で、細部のディティールを徹底的に検討し尽くしています。

完全に納得いくものを作るために、生産性やコストは一旦度外視。川浪さんのクオリティに対する意識にただならぬ気配を感じたUACJ子会社のコーディネーターさんにより、ある国家プロジェクトにも携わった東京都墨田区の凄腕の職人さんが招集され、プロジェクトチームが結成されましたね(笑)。

詳しくは「機能について」のところで書いていますが、例えばポール同士を接合する部分のパーツは、ねじ式の連結だと、構造上表面にネジを出さないとしっかりと固定できません。しかし、今回はそれこそが“プロダクトデザインの肝”とも呼べる部分なので、本体の美しさを妨げないよう、ネジを露出させない接合方法はないか、とかなり粘らせてもらいました。そんな無茶な要求に対して、素晴らしい技術で、これまでに無い特殊な構造のパーツをゼロから考えて実現してくれました。(特許出願中)

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タープ用のポールには強度も求められますが、ただ丈夫なだけだと重くなって使い勝手が悪くなるので、ちょうど良いバランスを見出すためにポールの厚みに関しても試行錯誤しましたよね。

そうでしたね。一般的にタープポールは規格品の、決まった直径や肉厚のパイプから加工してつくるのですが、今回はその前の押出成形と呼ばれるトコロテンのようにパイプそのものを押し出してつくるところから始めています。かなり厚めの3mmから始めていくつかの厚みを試し、重量とのバランスで2mmに着地。削り出しで作られた、一切のガタつきと遊びがない接合パーツの精度の高さも相まって、立てた時の剛性感が普通のポールと比べて段違いです。どうしても手間もコストもかかるので、量産メーカーではやらないことなのですが。触れた瞬間にその精度の違いがわかるので、TARPtoTARPに来ることができる方は、ぜひ店頭で実物を手に取って触ってもらいたいですね。

TARP POLEのその先に何を考えていますか?

最近のアウトドアシーンを見ると、ギア市場の盛り上がりもあり、メーカーからどんどん新しい商品がリリースされ、買っては手放しの消費が繰り返されているような印象を受けています。今キャンプを楽しんでいる人たちが、モノの消費に辟易してカルチャーが終わらないよう、品質が良いものを選び、長く使い続けて欲しいですね。

北欧では、家具はメンテナンスを施しつつ、世代を超えて使い続けられます。良質な素材や高い耐久性、飽きのこない普遍的なデザインが求められるので、最初に買う時の価格は高いですが、そのぶん長く引き継いでいくことができる。プロダクトを作る側の視点としては、簡単に消費されず、世代を超えた時間に耐えることのできるような、“未来のヴィンテージ”となるものを作りたい。そんな思いから、TARP POLEはオール・アルミニウムで耐久性が高く、経年変化に耐えられる本物の質感があり、さらにどこかが壊れた場合もパーツ単位で交換可能なロングライフ設計になっているんですよ。

少し意外かもしれませんが、これまでTARPtoTARPではいわゆる“キャンプギア”の類は作ってこなかったんですよ。その意味ではこのプロジェクトは新しい挑戦とも言えますが、ここまでのプロダクトを作れたのは、これまで大切にしてきた“繋がり”の集大成なのかな、と感じています。このTARP POLEをタープだけでなく、テントやシェルターのポールとして使ってもらったりすることで、また新たな繋がりが生まれ、その繋がりがTARPtoTARPが次のフェーズへと進むキッカケとなってくれる。そんな予感すらさせてくれるぐらい、自信を持っておすすめできるプロダクトに仕上がっているので、ぜひたくさんの方に使ってもらえると嬉しいです。

OUR PROCESS開発者のことば

須山友之

TARPtoTARPオーナー、プロデューサー/オリンパス株式会社にて医療機器の海外マーケティングに従事したのち、デザインに特化したコンサルティングファームを設立。2019年に横浜馬車道にTARPtoTARPをオープン。カフェ&ショップの運営の傍ら、企業のアウトドア商品開発、ブランディング、運営サポート等を行う。

川浪寛朗

デザインディレクター、プロダクトデザイナー/日本デザインセンター・原デザイン研究所を経て独立。2019年よりhxo designの日本展開を開始。wanderout元ディレクター。デザインのカテゴリーを横断し、コンセプトワークから平面・立体・空間まで、一貫したディレクションとデザインを行う。

FUNCTION機能について

  • エンドキャップ

    トップ部分にはネジ式のエンドキャップを採用。下から強風に煽られる状況下におけるタープの脱落を防止。また万が一トップ部分が曲がった場合も、単体での交換が可能。

  • ジョイントのディテール

    ジョイント部は光沢のある仕上げにすることで、ビーズブラスト処理されたマットな本体と美しいコントラストを生み出し、アルミニウム素材ならではの魅力を引き出している。

  • オール・アルミニウム

    アジャストピン以外の全てのパーツをアルミニウムで製作。精密な3次元切削加⼯によるネジ式を採⽤することで、ポール同⼠のジョイントに高い剛性を持たせている。

  • アジャスタブル機構

    高さ2,225mmから2,775mmまで調整可能。メインポールとして、1セットであらゆるタープと使用状況に対応。ガタつきを抑えるため、本体の内側にリングを取り付けている。

  • ジョイントパーツ(実用新案出願中)

    接合部のパーツを固定するために一般的に用いられるネジやリペットをポール表面に一切露出させない特殊金具を開発。ノイズのない美しいディティールを実現。

  • スムーズなアジャスト機構

    ポール本体の内側にガイドとなる溝を設けることで、調整時にクリック部分が穴位置とズレにくいデザイン。アジャスタブルポールの弱点を解消しスムーズな調整が可能。

SPEC製品の情報

カラー
Gray(TACグレーV6802 TJ-7)
重さ
1,960g/本
サイズ
展開時:メイン:Φ33mm×L2,775mm
    アジャスト:Φ28mm×L2,775mm
収納時:L765mm
素材
ポール:アルミニウム合金(6000系合金)/アルマイト仕上げ
部品:アルミニウム合金(A2017ジュラルミン)/アルマイト仕上げ
アジャストピン:ステンレス
原産国
Japan
特許申請中
特願2022-121578
協力企業
総合アルミニウムメーカー
株式会社UACJ/株式会社UACJ押出加工
東京都千代田区大手町一丁目7番2号
Web

金属・樹脂の切削加工
株式会社加藤製作所
東京都墨田区押上2-26-13
Web

アルマイト加工
株式会社アサヒ電化
東京都葛飾区西新小岩3-35-15
Web

金属加工業
佐藤電研株式会社
東京都江戸川区中央4-16-29
Web

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TARP POLE

¥110,000 (Tax In)

ポール2本セット/専用ケース付属